ある気分安定薬の特徴 薬剤の反応性が落ちることや、再燃の誘発、再燃周期の短期化が起きるかも

カテゴリー

1.カルバマゼピン(テグレトール®)・・・副作用に注意が必要

非常に多彩な適応効能をももつ薬剤です。

主たる位置づけはてんかんの治療薬です。

その他に三叉神経痛の治療薬として、脳外科やべインクリニック(疼痛外来)などでもよく処方されています。

気分安定薬としての効果があることは日本発の知見です。

他には、統合失調症の気分の変動や衝動の調節などにも使用されています。

しかし、この薬は効果が高いのですが、重篤な副作用を発見する可能性がある薬剤でもありますので使い方には注意が必要です

2.バルプロ酸ナトリウム(デパケン®)・・・古くから気分安定薬として使われてきた薬

米国ではバルプロ酸の合剤でデパコート®という製剤が用いられることが多いようです。

上記のカルバマゼピンが米国では気分安定薬の承認を受けていないようで、そのためにデパコート®の使用頻度が高いと思われます。

日本では「躁病および躁うつ病の躁状態」きぶんを安定させる効能が追加承認され、2002年に添付文書に追記されました。

服用時の注意

上記の薬剤は双極性気分障害への効果が確立されたといえるのですが、薬剤を間欠的に投与したり(医師の問題)、服薬不遵守がある(患者の問題)とかえって病状の悪化につながるという報告があります。

それは、薬剤の反応性が落ちることや、再燃の誘発再燃周期の短期化が起きるという現象です。

双極性気分障害のなかに、短期間に躁とうつを交互に繰り返すものでラピッドサイクラーといわれるタイプの病態があります。

このタイプの治療には気分安定薬が絶大な効果を示します。

しかしながら、不適切な気分安定薬の使用は、医原性のラピッドサイクラーを発見させている可能性もあり、処方する医師は間欠的に投与する危険性を十分に認識しておく必要があります。

また、予見不可能なことが原因で、血中濃度に急激な変化が起こる可能性もありますので、定期的な血中濃度の測定が望ましいでしょう。

ただし、この血中濃度測定はあくまで“急な変化がないかどうか”をチェックするためのものと考えてください。

治療結果は血中濃度と必ずしも関係しないという報告があるからです。

つまり、血中濃度が低くてもその人の状態が安定しているならば、濃度を上げるのではなく、その濃度で安定させることを考えたほうがよい、という意味です。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする