臓器の機能が低下している老年期の身体と薬の吸収

老年期になると一般的にすべての臓器の機能が低下します。

高齢者は吸収力が低下していることが多くあり、そのため処方薬を投与しても、薬物の吸収がうまくいかず、投与した量に比べて効果が低いと感じ、短い期間で増量してしまうことがあります。

腸管運動も低下している場合

さらに問題となるのは、腸管運動も低下している場合です。

老齢になると消化器の蠕動運動が低下することが多く、摂取したものは腸管内に滞る時間が長くなります。

そうなると、吸収力が落ちても長い時間腸管内にある薬物は、ゆっくりですがすべて吸収され、ついには才ーバードーズ(過量状態)になることがあるのです。

加えて向精神薬の多くは副作用に便秘がありますから、腸管内に滞る時間はますます長くなり、過鎮静や悪性症候群を引き起こす危険性があります。

代謝能力が低下している場合

また、代謝能力が低下していると、服用した薬剤の代謝が遅くなります。

このため、少ない量で調節したはずであっても薬剤の“使い残し’が体内に蓄積されていきます。

さらに上記のような排泄能力の低下があると、ある日突然、処方を変更していないにもかかわらず副作用などが出現することがあります。

状態をよく観察することが治療に役立つ

原因と考えられる薬剤を止めても、問題は蓄積された薬剤によって起きているのですぐには改善が見られません。

そこで焦って副作用への対処療法などをするとかえって問題が複雑になることがあります。

そのように時は、状態をよく観察しながら経過を見て、必要ならば輸液や解毒を中心に対処します

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