統合失調症とは? 統合失調症の原因と症状種類

向精神薬と抗精神薬の違い

向精神薬と抗精神薬ー似たような名前ですよね。

混乱している人が意外に多いので、先にその違いを説明します。

向精神薬とは、中枢神経系に作用する薬物の総称です。

“薬剤”ではなく“薬物”ですから、違法なものも含みます。

抗精神薬はその中の1つのカテゴリーということになります。

抗精神薬とは、読んで字のごとく「精神病に対する薬」という意味です(英語ではantipsy-chotic.anti=“に対する”psychosis=“精神病”になります)。

また、抗精神病薬をメジャートランキライザーと呼ぶこともあります。

抗精神病薬

抗精神病薬の主たる適応症は統合失調症ですが、中には双極性気分障害の躁状態躁病老年期精神障害などに適応をもっている抗精神病薬もあります。

非定型精神病は、精神病理学的には統合失調症と全く違う精神疾患ですが、急性期の病状は非常に似ていることから抗精神病薬を用います。

統合失調症の症状

あらゆる精神症状は、脳神経ネットワーク(図1)の中で、神経伝達物質の「量」に異変が生じたことで、脳神経細胞間の信号伝達に問題が起きた結果として発見します(神経伝達物質の「質」に異変が起きているわけではないです)。

図1 脳神経細胞と神経伝達物質受容体

では、統合失調症の脳の中ではどのような神経伝達物質の量に異変が起きているのでしょうか。

統合失調症の症状種類

統合失調症の症状が多彩ですが、その症状は陽性症状異性症状認知障害に大別されます。その3つの場合をみてみましょう。

1.陽性症状の原因は?・・・「中脳辺縁系」のドーパミンの「過剰」

表1に示したように、陽性症状の「陽性」とは、健康時には“ない”はずのものが“ある”“加わった”と言うことを意味しています。表2に、陽性症状についてまとめました。

表1「陽性」と「陰性」

陽性症状(positive symptoms)

positive=プラスの。

健康時にはないはずのものがある(プラス)。

陰性症状(negative symptoms)

negative=マイナスの。

健康時にはあるはずのものがない(マイナス)。

表2陽性症状

幻覚:幻聴、幻視

妄想:被害妄想、迫害妄想、被毒妄想、誇大妄想

自我障害:考想察知、思考伝播、思考化声、思考吹入、作為体験

脳内には図2に示すように、「中脳辺縁系」「中脳皮膚系」「黒質線条系」「漏斗下垂体」という4つのドーハミン経路があります。

陽性症状は、そのなかの「中脳辺縁系」において、「ドーパミンの過剰」が起きたために生じているといわれています。

統合失調症をもつ4つのドーパミン経路で起きていること

 

 

状態:ドーパミンが過剰になっている

症状:陽性症状

 

 

 

 

 

状態:ドーパミンがの減少が起きている

症状:陰性症状・認知機能障害

 

 

 

 

 

 

状態:ドーパミン量に変化なし抗精神薬でドーパミン受容体を遮断すると・・・

錐体外路症状が起きる

 

 

 

 

 

状態:ドーパミン量に変化なし抗精神薬でドーパミン受容体を遮断すると・・・

高プロラクチン血症になる

 

 

 

ドーパミンとは

ドーパミンは本来、運動調節、ホルモン分泌量調節、快の感情、意欲、学習などに関係する神経伝達物質で、人間が生活を送る上では欠かせないものです。

ところが統合失調症の患者さんの中脳辺縁系では、ドーパミンが過剰に放出され、信号伝導の異常が生じた結果、「幻覚」「妄想」「自我障害」といった陽性症状が引き起こされるのです。

では、過剰に放出されたドーパミンが陽性症状の原因ならば、それが適切になるようにドーパミ ンの放出量を減らせばよいのでは、と思われるか もしれません。

そのとおりなのですが、残念なことに、なぜドーパミンの放出量が増えるのかがわ かっていないため、減らす方法についてもいまだに解明されていないのです。

そのため、抗精神病薬は対症療法として、ドーパミン受容体に蓋をして、過剰になったドーパミン受容体のはたらきを弱めることを意図したデサインになっています

2.陰性症状と認知障害の原因は? •••「中脳皮質系」のドーパミンの「減少」

表1に示したように、陰性症状といつ目葉の 「陰性」とは、健康時には“ある”はずのものが “ない”、ということを意味しています。

表3に、 陰性症状の症状をまとめました。また、表4に認知機能障害の症状をまとめまし た。
表3陰性症状

意欲障害:能動性の低下、興味喪失

感情障害:感情鈍麻、感情不調和、両価性

社会障害:閉じこもり、疎通生の低下

表4認知機能障害

外部からの刺激を情報として捉える際に、情報の取り込み、記録、再生におけるすべての情報処理プロセルで問題が生じる。

症状としては注意、記憶、学習、執行などの脳高次機能の低下として現れる。

陰性症状と認知機能障害は、図2に示す「中脳皮質系」の「ドーパミンの減少」により引き起こされていると言われています。ただ、陽性症状と同じように、なぜそうしたことは起こるのかはまだ解明されていません。

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