「その他の精神科の薬」の豆知識」カテゴリーアーカイブ

アルコール依存治療の補助薬である抗酒薬を知っておきましょう!

アルコール依存症とは

WHOの『国際疾病分類ICD―精神および行動の障害』では、依存症を次のように定義しています。

「ある物質の使用や行為が、その反復により生理的、行動的、認知的現象において、それまでの経験で得たどんな大きな価値より勝るようになることを“依存が形成された”といい、明白に有害な結果が生じているにもかかわらず、物質の使用や行為を続け、さらに状況を悪化させ、身体的、社会的に破壊を来す状態を“依存が確立した状態”という」

依存症が、行動の適正なコントロールができなくなる病気だとすれば、臨床で遭遇するアルコール依存症の患者さんは、自身に適切な「飲酒量」に対してコントロール障害が起きている状態にあるといえます。

抗酒薬はアルコール依存症治療の補助薬

飲酒のコントロールができない状態とは、脳内でどのような変化が起きたことを原因とするのでしょうか。

それについては現在のところ、全体像はわかっていません。そして原因がわからないため、飲酒したいという気分や衝動そのものを抑える薬剤を開発することも困難となっています。

では抗酒薬とはどういう薬なのでしょう。これは、アルコールを摂取することで、脳に“快感”ではなく、何らかの“苦痛”の刺激を加えることで、それ以上の飲酒を抑制したり、飲酒への抑止力をつけることを目的にした薬剤になります。

酒が嫌になる薬という「抗酒薬」という表記のほうが、薬理効果をよく表しているかもしれません。その意味で、アルコール依存症の治療薬ではなく、“治療補助薬”という位置づけになります。

老年期にみられる夜間せん妄の治療法は、「生活改善」と「薬物療法」が基本的です。

夜間せん妄の原因

夜間せん妄は、せん妄のなかでも夜間に起こるものをいいます。せん妄は意識の混濁が原因で す。低覚醒により、激しい精神運動興奮を起こします。子どもが寝ぼけている状態(低覚醒状態)で、何かに驚いてパニックを起こす様に似ています。

このような状態では外界から入ってくるさまざまな情報が適切に処理できないために、不安や恐怖が極限に達します(いきなり言葉も知らない 外国の街角に1人で放置された状態を想像して みてください。そんな状態の何倍もの怖さがせん 妄状態の不安だといわれています)。

特に夜間に現れやすいのは、夜になると生理的に眠気が出て低覚醒となり、視覚情報が減ってくるため、せん妄が起きやすい環境となるからです。

なお、ベンゾジアゼビン系の抗不安薬による過鎮静によってせん妄様の症状が出たり、睡眠導入薬の効果の遷延が原因でせん妄様の症状が出ることもあるので、そうしたことが原因になっていないか、注意して鑑別するようにします。当然ながら、それらが原因と考えられる場合の対処方法は、抗不安薬や睡眠薬の中止です。

生活改善と薬物療法が基本

老年期にみられる夜間せん妄の治療法は、「生活改善」と「薬物療法」です。

生活改善は、薬物療法の効果を最大限に上げるためにも必要です。具体的には夜間にしっかりと 睡眠が誘発されるように、昼間の活動性を上げることです。

薬物療法の第一選択は、脳循環代謝改善薬でドーパミン受容体遮断作用のあるチアプリド(グラ マリール®)という臨床医が多いようです。

次に少量のハロペリドールや、非定型抗精神病薬を試みる (適応は統合失調症のみではあるのですが)という意見が多いようです。

私の場合はこれ以外にドーパ ミン拮抗作用のあるbenzamide系抗精神病薬であるスルピリド(ドグマチール®を使うこともあります。

なお、このような夜間せん妄などへの薬物療法として高齢者に抗精神病薬を使う際には、副作用が出ていないかを十分に観察することが大切です。

そして期待する効果が得られているかをきちんと判断していくことも重要です。効果が得られていないのに抗精神病薬を漫然と使うようなことは避けなければなりません。

発達障害をもつ人への薬物療法は必要かを分析しましょう。

発達障害とは

「発達障害」は大変大きな概念であり、さまざまな障害を含んでいます。この概念は“機能障 害”という観点で考えると理解しやすいはずです。

大多数の人に発現している機能が、身体面・精神面に遅れて発現する、または発現しきれないケースと考えればよいと思います。

一般的には“成長の遅れ”というイメージが強く、そこから精神遅滞のみを指すと思われがちですが、精神科領域で扱う発達障害はそれだけではありません。

大きく分けて、精神遅滞、学習障害、自閉性障害、広汎性発達障害、注意欠陥/多動性障害を扱います。

発達障害に薬物療法は必要か?

最新の脳科学研究でも発達障害の原因は明らかにされていません。しかし原因が明らかでないといっても、今後の研究で発達障害が根治できるような治療法がみつかるかというと、そうした展望に関しても「難しい」といわれています。

現時点で、発達障害の原因として考えられている有力な仮説は、脳神経のネットワークの構築の段階で何らかの問題が生じ、ネットワーク形成不全か発生した結果、障害へと発展するのではないかというものです。

しかしそうなると、現在臨床で用いられている向精神薬は、ネットワーク形成不全を改善させるような働きはもっていないため、発達障害の治療には効果を発揮できないことになってしまいます。

では、発達障害をもつ人に薬物療法は無効なのでしょうか。

抗躁薬は、日本だけにあるカテゴリーで、分類される薬剤は炭酸リチウムただ一つだ。

抗躁薬は、日本だけにあるカテゴリーです

まず最初に一つお断りしておきたいことがあります。

それは、「抗躁薬」というカテゴリーがあるのは日本だけであり、世界的には「気分安定薬Jと

いうカテゴリーしかないということです。

精神疾患の分類が未発達だった時代に、日本では「抗操薬」と「抗精神病薬」という分類しかな

かったため、日本独特の「抗躁薬」というカテゴリーが残ったのだろうと思われます。

躁がこのように大きく扱われたのは、おそらく発病初期から周囲の人が「治療が必要だ」と感

じるのは、日本では特に、“うつ”ではなく“躁”のほうであったためではないかと思われます。

文献によっては、前項の“気分安定薬”で述べた炭酸リチウ厶、バルプロ酸ナトリウム、カルバ

マゼピンをすベて“抗躁薬’’として分類しているものもあります。

炭酸リチウムという薬

抗躁薬のカテゴリーに分類される薬剤は炭酸リチウ厶ただ1つです。

リチウム塩が躁状態に効果があるとわかり、治療に用いられるようになったのは古く、1950年

代です。

リチウム塩はリチウムイオンとして生体内ではたらくことが当時から明らかでしたが、現在も

なお脳内におけるその薬理動態や作用はわかっていません(最新の研究から、予想される作用機

序は提言されていますか)。

また、この薬は抗うつ薬の効果を増幅するための薬として用いられることもあります(うつ病の

なかでも、激越性や難治性のうつ病相を治療する場合です)。

アルコール依存症の補助薬である抗酒薬についてを紹介してあります

アルコール依存症とは

WHOの「国際疾病分類ICD—精神および行動の障害」では、依存症を次のように定義しています。

「ある物質の使用や行為が、その反復により生理的、行動的、認知的現象において、それまでの

経験で得たどんな大きな価値より勝るようになる ことを‘‘依存が形成された”といい、明白に有

害な結果が生じているにもかかわらず、物質の使用 や行為を続け、さらに状況を悪化させ、身

体的、社会的に破壊を来す状態を“依存が確立した状態”という」

 

依存症が、行動の適正なコントロールができなくなる病気だとすれば、臨床で遭遇するアルコ

ー ル依存症の患者さんは、自身に適切な「飲酒量」 に対してコントロール障害が起きている

状態にあるといえます。

抗酒薬はアルコール依存症治療の補助薬

飲酒のコントロールができない状態とは、脳内でどのような変化が起きたことを原因とするので しょうか。

それについては現在のところ、全体像はわかっていません。

そして原因がわからないため、飲酒したいという気分や衝動そのものを抑える薬剤を開発することも困難となっています。

では抗酒薬とはどういう薬なのでしょう。

これは、アルコールを摂取することで、脳に‘‘快感”ではなく、何らかの‘‘苦痛”の刺激を加えることで、それ以上の飲酒を抑制したり、飲酒への抑止力をつけることを目的にした薬剤になります。

酒が嫌になる薬と言う「嫌酒薬」という表記のほうが、薬理効果をよく表しているかもしれません。

その意味で、アルコール依存症の治療薬ではなく、‘‘治療補助薬”と言う位置づけになります。

気分安定薬を服用する時に、薬剤を間欠的に投与したり、服薬不遵守があると、病状悪化を招く

気分安定薬を服用する時の注意点

気分安定薬を服用するときに、薬剤を間欠的に投与したり(医師の問題)、服薬不遵守がある(患者の問題)と、かえって病状の悪化につながると言う報告があります。

それは、薬剤の反応性が落ちることや、再燃の誘発、再燃周期の短期化が起きるという現象です。

双極性気分障害になかに、短期間に躁とうつを交互に繰り返すものでラピッドサイクラーと言われるタイプの病態があります。

このタイプの治療には気分安定薬が絶大な効果を示します。

不適切な気分安定薬の使用の危険性

しかしながら、不適切な気分安定薬の使用は、医寮性ラピッドサイクラーを発現させている可能性もあり、処方する医師は間欠的に投与する危険性を十分に認識しておく必要があります。

また、予見不可能なことが原因で、血中濃度に急激な変化が起こる可能性もありますので、定期的な血中濃度測定はあくまで“急な変化がないかどうか”をチェックするためのものを考えてください。

治療効果は血中濃度と必ずしも相関しないという報告があるからです。

つまり、血中濃度が低くてもその人の状態が安定しているならば、濃度を上げるのではなく、その濃度で安定させることを考えたほうがよい、と言う意味です。

弱肉強食の風潮でイライラになっている日本人は心を病み、お金が幸せだと思う。自分の幸せの尺度と持とう!

水谷 修
日本の教育者、元高等学校教諭であり、児童福祉運動家、ならびに教育評論家。水谷青少年問題研究所所長、花園大学社会福祉学部臨床心理学科客員教授、上智大学文学部哲学科非常勤講師。ペスタロッチー教育賞受賞。

 

水谷 修は、「日本でも弱肉強食の風潮が強まり、世の中が常にイライラしている。大人はそれを子供たちにぶつけないで。」と言いました。

こんな話を言う動機は何ですか。なぜですか。

実は多くの人の認知で「日本でも弱肉強食の風潮が強まり、世の中が常にイライラしている。」

「今この国では、100万人がうつ病と診断され、1100万人、つまり国民の一割が心を病み心療内科や精神科、神経科で治療を受けている。僕はこのままでは日本は減びるんじゃないかと危機感をもっています。」と言う話は事実です。

確かに現在の日本はそうです。これために、多くの人々はだんだん不安になってしまいます。さらに心の病も出る可能性が高いです。今回は水谷 修さんのアドバイスから見ましょう。

実際、みんなが平等なわけがないんだよね。生まれた環境や身体的特徴、持って生まれた能力は、一人ひとり全く違う。だから僕は「やればできる」とは絶対にいわないよ。

そう考えたきっかけは、肢体不自由な子供が通う高等部にいた時のこと。

僕は世の中を変えるような人を作りたくて、教員になったのに、毎日、ご飯を食べさせたり、オムツを替えたりするばかり、とふてくされていたんだ。

ある時、僕が担当している子供がうんちを漏らして、ついシャワーの温度を確かめずにお尻に冷水をかけてしまった。

彼が「ギャッ」て声を上げた瞬間、先輩教員に殴られて、「生徒かた求めらたことをやるのが教師だろう」と説教されてはっとした。

それから心を入れ替えたんだ。子供たちの求める声に応えていくこと、そして一人ひとりをよく見えることの大切さに気がついた。

たとえば、車椅子に乗っている子が「将来大リーグでホームラン打つんだ」と夢を持ってどんなに頑張っても、さすがに実現には遠いよね。

そんな時「お前にはそれは無理かなあ。でも、これならできるよ」と一緒に考える、寄り添う。

それぞれが必死にやって、それがその子のベストなら、それでいいし、すごいことなんだ。

これが本来の教育のあり方だと気がついたんだ。”

“それには社会の流れを見なければならないでしょう。

1990年代バブル経済があって日本全体がお金に踊らされて、物を持つことが最上と言う一つの価値観に染まった。

そして、バブル経済の長い続いた不況の中で、金持ちはより金持ちに貧しい人はどんどん貧しくなって、日本でも弱肉強食の風潮が強まってきた。

社会全体が夢を見られなくなり、世の中が常にイライライライラしていて、そのイライラを弱い存在である子供たちぶつけてしまう

それを防ぐのは難しいから、せめて児童相談所や警察などの職員に、するべき仕事をきちんと果たして欲しい。

今この国では、100万人がうつ病と診断され、1100万人、つまり国民の一割が心を病み心療内科や精神科、神経科で治療を受けている。

僕はこのままでは日本は減びるんじゃないかと危機感をもっています。”

“無理かもしれないな。

でも唯一あるとすれば、「日本的な価値観」を取り戻すこと。

たとえば、親戚に農業をしている者がいるけれど、腰が曲がっても毎日畑を耕していて「自分の食うもん自分で作れて、定年退職もなく、人様に迷惑かけることもない。一生懸命働けば、冬場に湯治で2泊3泊で温泉にいける。本当にいい人生だよ」と言うの。

こういう価値観が今、失われつつあるんだよ。

人間が100人いたら本来は100の価値観があるはずなのに、「大学受験に失敗したから不幸」「お金がないから不幸」と幸せの基準が画一化されてしまっている。

それぞれが幸せの尺度を持ち、お互いにそれを認められるようになれば、日本も暮らしやすくなる。”

ある気分安定薬の特徴 薬剤の反応性が落ちることや、再燃の誘発、再燃周期の短期化が起きるかも

1.カルバマゼピン(テグレトール®)・・・副作用に注意が必要

非常に多彩な適応効能をももつ薬剤です。

主たる位置づけはてんかんの治療薬です。

その他に三叉神経痛の治療薬として、脳外科やべインクリニック(疼痛外来)などでもよく処方されています。

気分安定薬としての効果があることは日本発の知見です。

他には、統合失調症の気分の変動や衝動の調節などにも使用されています。

しかし、この薬は効果が高いのですが、重篤な副作用を発見する可能性がある薬剤でもありますので使い方には注意が必要です

2.バルプロ酸ナトリウム(デパケン®)・・・古くから気分安定薬として使われてきた薬

米国ではバルプロ酸の合剤でデパコート®という製剤が用いられることが多いようです。

上記のカルバマゼピンが米国では気分安定薬の承認を受けていないようで、そのためにデパコート®の使用頻度が高いと思われます。

日本では「躁病および躁うつ病の躁状態」きぶんを安定させる効能が追加承認され、2002年に添付文書に追記されました。

服用時の注意

上記の薬剤は双極性気分障害への効果が確立されたといえるのですが、薬剤を間欠的に投与したり(医師の問題)、服薬不遵守がある(患者の問題)とかえって病状の悪化につながるという報告があります。

それは、薬剤の反応性が落ちることや、再燃の誘発再燃周期の短期化が起きるという現象です。

双極性気分障害のなかに、短期間に躁とうつを交互に繰り返すものでラピッドサイクラーといわれるタイプの病態があります。

このタイプの治療には気分安定薬が絶大な効果を示します。

しかしながら、不適切な気分安定薬の使用は、医原性のラピッドサイクラーを発見させている可能性もあり、処方する医師は間欠的に投与する危険性を十分に認識しておく必要があります。

 

また、予見不可能なことが原因で、血中濃度に急激な変化が起こる可能性もありますので、定期的な血中濃度の測定が望ましいでしょう。

ただし、この血中濃度測定はあくまで“急な変化がないかどうか”をチェックするためのものと考えてください。

治療結果は血中濃度と必ずしも関係しないという報告があるからです。

つまり、血中濃度が低くてもその人の状態が安定しているならば、濃度を上げるのではなく、その濃度で安定させることを考えたほうがよい、という意味です。

“躁”“うつ”を安定させる「気分安定薬」の分類と特徴

気分障害とは

「うつ病」「躁病」「躁うつ病」は〈気分障害〉という概念に含まれます。

気分障害という呼称は最近の表記で、少し前までは感情障害と呼ばれていました(表記が変わっただけであり、内容や診断基準などに変更はありません)。

「単極性気分障害」と「双極性気分障害」

うつと躁をそれぞれ両極と考え、そのどちらか一方のみの異常を示すものを「単極性気分障害」といい、ともに異常を来すものを「双極性気分障害」といいます。

近年、うつ病の啓発活動がすすんだ結果、精神科•心療内科を受診するうつ病•抑うつ状態を呈する患者さんは多くなっていると思います。

私の臨床の経験上では、躁うつ病の患者さんはうつ病 に比べて少なく、躁病を単極性に示す患者さんはさらに少ないと思います。

気分安定薬

さて、「気分安定薬」と聞いたら、どういったものを想像するでしようか。

言葉だけで解釈すると、リラックスさせる作用をもつ薬、というイメージを抱く方が少なくないようです。

しかしここでいう気分とは、“躁”と“うつ”の気分そのものを指します。

そしてそれを安定化させる薬剤を気分安定薬(mood stabilizer :ムードスタビラ イザー)と呼びます。

気分安定薬と抗うつ薬共に働き

といっても、気分安定薬は躁やうつを単独で治できるほどのパワーをもっているわけではあ
ません。

気分の変調を是正するために投与した抗うつ薬を「増強する薬剤」、または「維持期の再燃を予防するための薬剤」というふうにとらえていた だければよいかと思います。

日本で処方される気分安定薬の3種類と特徴

気分安定薬とされる薬剤のなかで、日本で処方できる薬剤は3種類です。まずはカルバマゼピンとバルプロ酸ナトリウム。この2つは、主に「抗てんかん薬」として使われている薬です。もう1つは炭酸リチウムです。

臨床経過報告などから、気分の変調は一度起こるとそのこと自体が次の変調の呼び水になるということがわかっています。

カルバマゼビンやバルプロ酸ナトリウムなどの抗てんかん薬は、脳の細胞膜の電位を安定化させることで、脳内の信号伝達のイレギュラーな活動を抑え再燃を防止している可能性があります。

炭酸リチウムの作用機序には不明な点が多いのですが、リチウム塩の分子は小さく、脳への移行が容易であると考えられ、また急速充電と放電が可能な高性能蓄電池に使われるほど電気的な安定しやすいので、脳の電位を安定化させるのではないかと考えられています。