精神科の薬へのQ&A」カテゴリーアーカイブ

抗うつ薬へのQ&A|どれぐらいで治るのですか?いつまで服薬を続けるのですか?

Q:どれぐらいで治るのですか?いつまで服薬を続けるのですか?

A:症例によって差があり、一概には言えないというのが正直なところですが、「2〜3か月しっかり治療すれば回復する方がほとんどです」と説明しています。

回復後も維持期を同じぐらい設けて、再燃がないことを確認しながらゆっくりと薬を減らして治療を終えます。

参考までに最近5年間の私の診療実績統計を、非常に大まかではありますが記しておきます。初診でうつと診断された患者さんの70%は2〜3か月で症状は回復します15%はそれより早く回復し10%は約半年かかりました5%は難治例であったり、のちに躁病相を呈し双極性感情障害であったことが判明したケースでした。

Q:抗うつ薬は癖(依存)にはなりませんか?

A:ご心配は、薬が癖になる=依存という意味だと思いますが、抗うつ薬自体は依存性物質ではありませんし、作用するセロトニンやノルアドレナリンも依存性物質ではありません。

ですから薬理学的には依存はないと考えられます。しかしながら、不用意に抗うつ薬が長期に投与された結果、脳内の恒常性が健康なときから変化して抗うつ薬がないといられない状態に変化したり、この薬がないとダメというような精神依存が形成されてしまう恐れは十分にあります

しかし通常の治療で、例えば6か月程度使用したケースで、依存が生じたり、抗うつ薬を止められなくなったケースを私は経験したことはありません。

抗てんかん薬へのQ&A てんかん発作は治まったのですか、眠気が出てつらいときがあり、このまま続くのでしょうか?

Q:抗てんかん薬を飲んで以降、んかん発作は治まったのですか、眠気が出てつらいときがあり、眠気はこのまま続くのでしょうか?

A:抗てんかん薬に限らず、精神科で処方される薬の多くに、副作用として眠気がみられます。この眠気は、 服用したすべての人に起こるわけではありませんが、私の経験では服用初期には8割近くの人が眠気を訴えます。

その後徐々に眠気が軽くなり、さほど気にならないレベルになることが多いのですが、そのまま続く人もいます。

てんかんの治療は、眠気と発作のコントロール、そしてその他の副作用などをすべて考慮した 上で、生活する上で一番よいと思われる絶妙なところを探す治療です。

どんなにうまく調節しても眠気を完全に取り除くことができない場合もあります。ただ、生活が困難になるほどの眠気がある 場合は調整が必要だと思いますので、担当医に相談してみてください。

 

Q:長らく発作は起きておらず、薬の種類や量も変わらなくなりました。それでも、定期的な血中濃度測定は必要ですか?

 

A:血中濃度が治療において必要とされている薬剤では、処方が変わらなくなった時期(維持期)でも血中濃度を測定し続けます。

多くは、薬剤が症状をコントロールできているかどうかをチェックするため、そして中毒(過量)域になっていないかをチェックするために行います。

てんかん薬の血中濃度を測定する意義は3つあります。

1.抗てんかん薬が、本当にてんかん発作をコントロールできているのかを確認するため(偶然発作が起きていないのではなく、抗てんかん薬の効果により発作が治まっていることを確認するため)。

2. 中毒(過量)域になっていないかをチェックするため。

3. 服用した量に対して血中濃度がいつも同程度の比率であるかをチェックするため(吸収や代謝に問題があると、比率が変化する)。

このような理由により、抗てんかん薬は血中濃度測定を継続する必要があるのです。

 

抗精神薬へのQ&A 多量摂取により副作用の出現を招く恐れもあります。

Q:薬の効果があまり感じられないのですが、もう一回分追加して服用してもよいのでしょうか?

A:薬剤の適合・不適合を判断する際は、種類と量の2つの要素を考える必要があります

処方されている薬剤の種類自体が症状の緩和に適合しないものであるならば、質問のように追加して量を増やしたところで何の解決策にもなりなりません。

それどころか多量摂取により副作用の出現を招く恐れもあります

ですから自己判断の効果に疑問を感じたときや副作用などの問題が生じたときは、必ず処方医にその旨を伝えて、どのようにするべきかを納得するまで話し合って決めるようにしてください。

Q:薬の効果は薬を飲みだしてからどれくらいで現れるのでしょうか?

A:患者さんにはさまざまな状態(状況)があります。

病気の症状(特に幻覚妄想などの病的体験)に対して当事者が自覚をもたない場合には、何かを改善させたい、症状を取り除きたいというモチベーションがないために、効果の実感がリアルタイムで語られることはありません。

さらに妄想などは薬で完全に消褪させきれないことも多いので、何をもって[効果が現れた」とするかによって糧は異なります。

この点について患者さんは、妄想はあっても“気にならなくなった”状態を、「よくなった」と言うことが多いようです。

薬は、劇的に即効性をもつものから維持期に用いるのが最適なものなどさまざまあります。

症状にはしても副作用が強すぎるなど、患者さんには合った薬がみつかるまでに非常に時間がかかる場合もあります。

ですからこの質問の答えとしては、あくまで私が外来診療において、他覚的な判断で効果が出はじめる平均的な期間について述べます。

病的体驗に自身で悩み受診するような方は、治療意欲も高く服薬の必要性も理解しており、服薬を遵守される傾向があり、他覚的にも自覚的にも比較的早く(2週間程度で)変化がみられます。

概ね80%のケースにおいて、病状が安定し、自覚•他覚ともに納得して効果が発現したと実感できるのには8〜12週間は必要であると考えます。

8〜12週間というのは、回復を願うご本人、家族やケアにたずさわる人にとっては非常に長く感じられることと思います。

しかし、この期間を「待つ」ということが非常に大切です。

8〜12週間という期間を待たずに「効かない」と訴えていくことは、医師を追い立てることになり、その結果、一剤一剤をきちんと評価できないままに医師に追加処方を出させ、多剤併用へとつながってしまうことがあるからです。

睡眠薬へのQ&A 睡眠薬を飲むと副作用で死んでしまう?

Q:睡眠薬を飲むと副作用で死んでしまうのではないか?

A:最近の映画やTVドラマであまり見かけなくなりましたが、以前は睡眠薬の大量服用が自殺手段の代表と言っても過言ではありませんでした。

このイメージが色濃く残り、このような質問が寄せられるのではないかと思います。

バルビツール酸系の睡眠薬が主流だった時代は一度に大量に服用することで中枢性の呼吸抑制から死に至ることがありましたが、現在処方される睡眠薬はほとんどが改良されたベンゾジアゼピン系睡眠薬ですから、薬剤に対する過敏症やショックを引き起こすと言う非常に稀な例を除けば、処方通りに服用していて生命に問題が生じることはないと言えるでしょう。

Q:睡眠薬を飲むとほげる?

A:なぜこのような間違ったうわさが出てきたのでしょうか。

私の恩師は「統合失調症の患者さんによい治療がなかった頃、陰性症状を改善することができず、荒廃するのを観手いるだけという悲しい時代があった。その頃は鎮静のために睡眠薬を使うことも多かったから、陰性症状が睡眠薬起こったと思われていたのかもしれないね」と話します。

他に「持ち超し」を生じさせると、昼間も眠気やだるさがひどく、快活さが感じられずにいる様子をぼけたと感じたもかもしれません。

バルビツール酸系、ベンゾジアゼピン系のいずれの睡眠薬であっても、決して脳に変性を起こさせたり、認知症を招くことはありません。

抗うつ病へのQ&A じっくりしっかり治療して再発させないことが大切だ

Q:抗うつ薬は飲み出してどれぐらいで効いてきますか?

A:効果がいつ現れるか、というのは非常によく聞かれる質問です。

抗うつ薬の種類によって若干差がありますが、おおむね2週間で少し変化が感じられると思います。

実際にうつ状態のつらい症状がちよっと楽になったかなと実感できるのには、6〜8週間ほどかかります。

うつ状態になるのにも相当な期間を経て症状として現れているので、同じかそれ以上の余裕をもった治療期間が必要だと考えてください。

私の臨床経験では、うつ状態の兆候があってから受診に至るまでには(初発例で)最短で4週間、平均で6〜7週間、長い人になるとすでにうつ状態になって3か月以上も経ってから受診される人もいます。

どんな病気でも回復を急ぐのは当然とは思いますが、じっくりしっかり治療して再発させないことが大切です。

Q:抗うつ薬の副作用は我慢するほうがよいのですか?

A:どんな薬でも副作用はありますが、耐えられるものとそうでないものがあります。

我慢するかどうかの見極めは、治療を妨げるほどの副作用かどうかです。

副作用に対して対処療法がある場合は、私はできる限り副作用を確認してから対処するようにしています。

副作用が治療への印象を悪くするというので、医師によってはあらかじめ副作用対処薬(制吐剤など)をセットで処方するようにですが、私は予約的に対処薬を投与することはしません。

その理由は3つあります。

代謝への負担を考えればできる限り少ない量の薬が好ましいこと

②患者さん経済的な負担をかけたくないこと

中止後発見症状のところで説明したように、

服薬初期に副作用が出現した場合、抗うつ薬を止めるときにも中止後発現症状が出現する可能性が高いという知見から、その予測を立てるためにも副作用反応過度のように出現するのかを見極めたいこと。

このような理由を、どのような副作用が起こるかと共に説明するようにしています。