「抗うつ薬」の豆知識」カテゴリーアーカイブ

老年期、抗うつ治療薬の正しい使用方法

老年期のうつ病や抑うつ状態では、抑うつ気分 が前面に出ず、仮面うつ病のように身体症状や心気 症状が中心であることが多いので、病初期に気づくのが困難なことがあります。活動性に目立った低 下がなくても、不眠や理由のない漠然とした不安 を抱いたり、年齢に似つかわしくない取り乱し方 をしたり、自分を責めるなどの行為をみつけたら うつを疑うべきです。

もしこのとき、不定愁訴の多さに大量のマイ ナートランキライザーで対応するようなことをす ると、病態が把握できなくなります。さらに不安や焦燥が高度になり、うつ状態が遷延すると、激越性うつ病へと移行します。

治療は成人のうつ病や抑うつ状態の治療に準じて 「抗うつ薬」を用いますが、老年期には代謝機能が低下していることを考慮して「少量をゆっくりと増減」しながら投与します。

老年期で抑うつ状態がひどいと、時に認知症様に みえることがあります。年齢などからアルツハイマー型 認知症と誤診されることがありますので、病気の経過を しっかりと聞きとり、鑑別していくことが肝心です。

また、加齢により甲状腺機能が低下し、ホルモ ン分泌が低下することで抑うつ状態を呈する二とが少なからずありますので、鑑別のための血液検査を行うことも忘れてはいけません。

抗てんかん薬へのQ&A てんかん発作は治まったのですか、眠気が出てつらいときがあり、このまま続くのでしょうか?

Q:抗てんかん薬を飲んで以降、んかん発作は治まったのですか、眠気が出てつらいときがあり、眠気はこのまま続くのでしょうか?

A:抗てんかん薬に限らず、精神科で処方される薬の多くに、副作用として眠気がみられます。この眠気は、 服用したすべての人に起こるわけではありませんが、私の経験では服用初期には8割近くの人が眠気を訴えます。

その後徐々に眠気が軽くなり、さほど気にならないレベルになることが多いのですが、そのまま続く人もいます。

てんかんの治療は、眠気と発作のコントロール、そしてその他の副作用などをすべて考慮した 上で、生活する上で一番よいと思われる絶妙なところを探す治療です。

どんなにうまく調節しても眠気を完全に取り除くことができない場合もあります。ただ、生活が困難になるほどの眠気がある 場合は調整が必要だと思いますので、担当医に相談してみてください。

 

Q:長らく発作は起きておらず、薬の種類や量も変わらなくなりました。それでも、定期的な血中濃度測定は必要ですか?

 

A:血中濃度が治療において必要とされている薬剤では、処方が変わらなくなった時期(維持期)でも血中濃度を測定し続けます。

多くは、薬剤が症状をコントロールできているかどうかをチェックするため、そして中毒(過量)域になっていないかをチェックするために行います。

てんかん薬の血中濃度を測定する意義は3つあります。

1.抗てんかん薬が、本当にてんかん発作をコントロールできているのかを確認するため(偶然発作が起きていないのではなく、抗てんかん薬の効果により発作が治まっていることを確認するため)。

2. 中毒(過量)域になっていないかをチェックするため。

3. 服用した量に対して血中濃度がいつも同程度の比率であるかをチェックするため(吸収や代謝に問題があると、比率が変化する)。

このような理由により、抗てんかん薬は血中濃度測定を継続する必要があるのです。

 

抗うつ薬種類 従来薬と新世代薬との大きな違いがある

抗うつ薬はその化学構造や化学的な特性で分類されていて、たくさんの種類があります。日本国内で治療に使用可能な抗うつ薬で、現在比較的使用されることの多いと思われます。

大きく分ければ、二つ種類がある

大きく分ければ、二つに分けられます。

それは古くから使われていて従来薬と称される「三環系」「四環系」抗うつ薬と新世代薬といわれる「SSRI:選択的セロトニン再取り込み阻害薬」「 SNRI :選択的セロトニン・ノルアドレナリン 再取り込み阻害薬」「NaSSA:ノルアドレナ リン作動性・特異的セロトニン作動性抗うつ薬」になります。

従来薬と新世代薬との大きな違いがある

約50年前に登場した三環系抗うつ薬も、主たる作用はノルァドレナリン再取り込み阻害作用なのです。

また、セロトニンに関連して作用するこ とも同じなのですが、従来薬ではうつの原因としては直接関係ない他の神経伝達物質にも影響しては直接関係ない他の神経伝達物質にも影響してしまいます。これが副作用の発現に大きく関わっているのです。

つまり、従来薬と新世代薬との違いは、「その他の神経伝達物質への影響の大きさ」の違いなのです。

セロトニンやノルアドレナリン量の調節に関連した部分に、より親和性(結合しやすさ、くっつきやすさ)が高く、その他の神経伝達物質に関連した場所には親和性が低いという特性を「選択性」といいます。

新世代の抗うつ薬はこの「選択性」により、副作用や毒性が大きく軽減されたという点が特徴なのです。今、世界的には新世代の抗うつ薬を第一選択にする治療が主流です。

古くからある三環系や四環系抗うつ薬は出番がない?

そんなことはありません。三環系、四環系抗うつ薬はどちらかといえば副作用が目立つと言う目立つと言う意味で二番手になりがちですが、効果が低いと言う意味ではありません。

抗うつ効果は早くに発現されるといった研究結果や難治例、重症例には従来薬のほうが効果が高いと評価をする研究報告もあります。

ですから、抗うつ薬はどれが一番よいというのではなく、個々の症例にあわせて選択していくようにします。

日本で処方される抗うつ薬の分類を紹介する

三環系

*ホィミプラミン(ィミドール®、トフラニール®)
*クロミブラミン(アナフラニール®)
*アモキサピン(アモキサン®)、など

四環系

*マプロチリン(ルジオミ—ル®)
*ミアンセリン(テトラミド®)
*セチプチリン(テシプール®)、など

SSRI

*ネフルボキサミン(デプロメール®、ルボックス®)
*パロキセチン(パキシル®)
*セルトラリン(ジェイゾロフト®)

SNRI

*ミルナシプラン(トレドミン®)
*デュロキセチン(サインバルタ®)

NaSSA

*ミノけザピン(レメロン®、リフレックス,

※三環系、四環系抗うつ薬については現在比較的よく処方される抗うつ薬を中心に記載

弱肉強食の風潮でイライラになっている日本人は心を病み、お金が幸せだと思う。自分の幸せの尺度と持とう!

水谷 修
日本の教育者、元高等学校教諭であり、児童福祉運動家、ならびに教育評論家。水谷青少年問題研究所所長、花園大学社会福祉学部臨床心理学科客員教授、上智大学文学部哲学科非常勤講師。ペスタロッチー教育賞受賞。

 

水谷 修は、「日本でも弱肉強食の風潮が強まり、世の中が常にイライラしている。大人はそれを子供たちにぶつけないで。」と言いました。

こんな話を言う動機は何ですか。なぜですか。

実は多くの人の認知で「日本でも弱肉強食の風潮が強まり、世の中が常にイライラしている。」

「今この国では、100万人がうつ病と診断され、1100万人、つまり国民の一割が心を病み心療内科や精神科、神経科で治療を受けている。僕はこのままでは日本は減びるんじゃないかと危機感をもっています。」と言う話は事実です。

確かに現在の日本はそうです。これために、多くの人々はだんだん不安になってしまいます。さらに心の病も出る可能性が高いです。今回は水谷 修さんのアドバイスから見ましょう。

実際、みんなが平等なわけがないんだよね。生まれた環境や身体的特徴、持って生まれた能力は、一人ひとり全く違う。だから僕は「やればできる」とは絶対にいわないよ。

そう考えたきっかけは、肢体不自由な子供が通う高等部にいた時のこと。

僕は世の中を変えるような人を作りたくて、教員になったのに、毎日、ご飯を食べさせたり、オムツを替えたりするばかり、とふてくされていたんだ。

ある時、僕が担当している子供がうんちを漏らして、ついシャワーの温度を確かめずにお尻に冷水をかけてしまった。

彼が「ギャッ」て声を上げた瞬間、先輩教員に殴られて、「生徒かた求めらたことをやるのが教師だろう」と説教されてはっとした。

それから心を入れ替えたんだ。子供たちの求める声に応えていくこと、そして一人ひとりをよく見えることの大切さに気がついた。

たとえば、車椅子に乗っている子が「将来大リーグでホームラン打つんだ」と夢を持ってどんなに頑張っても、さすがに実現には遠いよね。

そんな時「お前にはそれは無理かなあ。でも、これならできるよ」と一緒に考える、寄り添う。

それぞれが必死にやって、それがその子のベストなら、それでいいし、すごいことなんだ。

これが本来の教育のあり方だと気がついたんだ。”

“それには社会の流れを見なければならないでしょう。

1990年代バブル経済があって日本全体がお金に踊らされて、物を持つことが最上と言う一つの価値観に染まった。

そして、バブル経済の長い続いた不況の中で、金持ちはより金持ちに貧しい人はどんどん貧しくなって、日本でも弱肉強食の風潮が強まってきた。

社会全体が夢を見られなくなり、世の中が常にイライライライラしていて、そのイライラを弱い存在である子供たちぶつけてしまう

それを防ぐのは難しいから、せめて児童相談所や警察などの職員に、するべき仕事をきちんと果たして欲しい。

今この国では、100万人がうつ病と診断され、1100万人、つまり国民の一割が心を病み心療内科や精神科、神経科で治療を受けている。

僕はこのままでは日本は減びるんじゃないかと危機感をもっています。”

“無理かもしれないな。

でも唯一あるとすれば、「日本的な価値観」を取り戻すこと。

たとえば、親戚に農業をしている者がいるけれど、腰が曲がっても毎日畑を耕していて「自分の食うもん自分で作れて、定年退職もなく、人様に迷惑かけることもない。一生懸命働けば、冬場に湯治で2泊3泊で温泉にいける。本当にいい人生だよ」と言うの。

こういう価値観が今、失われつつあるんだよ。

人間が100人いたら本来は100の価値観があるはずなのに、「大学受験に失敗したから不幸」「お金がないから不幸」と幸せの基準が画一化されてしまっている。

それぞれが幸せの尺度を持ち、お互いにそれを認められるようになれば、日本も暮らしやすくなる。”

抗うつ病へのQ&A じっくりしっかり治療して再発させないことが大切だ

Q:抗うつ薬は飲み出してどれぐらいで効いてきますか?

A:効果がいつ現れるか、というのは非常によく聞かれる質問です。

抗うつ薬の種類によって若干差がありますが、おおむね2週間で少し変化が感じられると思います。

実際にうつ状態のつらい症状がちよっと楽になったかなと実感できるのには、6〜8週間ほどかかります。

うつ状態になるのにも相当な期間を経て症状として現れているので、同じかそれ以上の余裕をもった治療期間が必要だと考えてください。

私の臨床経験では、うつ状態の兆候があってから受診に至るまでには(初発例で)最短で4週間、平均で6〜7週間、長い人になるとすでにうつ状態になって3か月以上も経ってから受診される人もいます。

どんな病気でも回復を急ぐのは当然とは思いますが、じっくりしっかり治療して再発させないことが大切です。

Q:抗うつ薬の副作用は我慢するほうがよいのですか?

A:どんな薬でも副作用はありますが、耐えられるものとそうでないものがあります。

我慢するかどうかの見極めは、治療を妨げるほどの副作用かどうかです。

副作用に対して対処療法がある場合は、私はできる限り副作用を確認してから対処するようにしています。

副作用が治療への印象を悪くするというので、医師によってはあらかじめ副作用対処薬(制吐剤など)をセットで処方するようにですが、私は予約的に対処薬を投与することはしません。

その理由は3つあります。

代謝への負担を考えればできる限り少ない量の薬が好ましいこと

②患者さん経済的な負担をかけたくないこと

中止後発見症状のところで説明したように、

服薬初期に副作用が出現した場合、抗うつ薬を止めるときにも中止後発現症状が出現する可能性が高いという知見から、その予測を立てるためにも副作用反応過度のように出現するのかを見極めたいこと。

このような理由を、どのような副作用が起こるかと共に説明するようにしています。

セロトニンやノルアドレナリン量の減少がうつを引き起こす大きな鍵を握る

人間の身体のなかで何が起き、うつになるのでしょう?

メンタル障害なのですから、脳のなかで何かが起きているのです。

生理学的研究や最新の生物学的手法を用いた数多くの研究結果から、神経伝達物質のなかのセロトニンやノルアドレナリン量の減少がうつを引き起こす大きな鍵を握ることは間違いないということが分かってきました。

しかし、なぜそれらの神経伝達物質が減ってしまうのかという、大もとの原因を明確に説明できる研究結果はいまに得られていません。

ただ、セロトニンやノルアドレナリン量の減少を是正することで臨床上の問題は解決することが多いので、治療としてはそれらを増加させるような抗うつ薬を用いるのです。

このことから、抗うつ薬による薬物療法は、原因にはたらきかける根治療法ではなく、対症療法であることがわかります。

抗うつ薬を飲んだあとの症状の改善についてですが、治療者と当事者で、評価に時間的なずれが あるというのが通例です。

治療者が他覚的にみて「症状が改善してきた」と感じるには平均2~3 週間を要します。

一方、当事者が自分自身の実感 として「少し楽になった」と感じるには4〜6週間かかります。

これは自分を評価する機能が回復するの にも時間がかかるためと考えられます。

その後は、双方がともに「症状が軽快した」と 認められるようになるのに、平均6〜8週間かか ります。

この時点で健康なときの80〜90%まで 回復するのですが、その後も再発予防を考慮し て、さらに数か月(回復の早い人で平均1〜2か月、遅い人でも4か月)抗うつ薬を服用します。

後でお話しますが、症状が軽快したからといって急に抗うつ薬の服用を中止するのは問題があり、非常に危険ですから、ゆっくりと減量して治療を終えるようにします。

“躁”“うつ”を安定させる「気分安定薬」の分類と特徴

気分障害とは

「うつ病」「躁病」「躁うつ病」は〈気分障害〉という概念に含まれます。

気分障害という呼称は最近の表記で、少し前までは感情障害と呼ばれていました(表記が変わっただけであり、内容や診断基準などに変更はありません)。

「単極性気分障害」と「双極性気分障害」

うつと躁をそれぞれ両極と考え、そのどちらか一方のみの異常を示すものを「単極性気分障害」といい、ともに異常を来すものを「双極性気分障害」といいます。

近年、うつ病の啓発活動がすすんだ結果、精神科•心療内科を受診するうつ病•抑うつ状態を呈する患者さんは多くなっていると思います。

私の臨床の経験上では、躁うつ病の患者さんはうつ病 に比べて少なく、躁病を単極性に示す患者さんはさらに少ないと思います。

気分安定薬

さて、「気分安定薬」と聞いたら、どういったものを想像するでしようか。

言葉だけで解釈すると、リラックスさせる作用をもつ薬、というイメージを抱く方が少なくないようです。

しかしここでいう気分とは、“躁”と“うつ”の気分そのものを指します。

そしてそれを安定化させる薬剤を気分安定薬(mood stabilizer :ムードスタビラ イザー)と呼びます。

気分安定薬と抗うつ薬共に働き

といっても、気分安定薬は躁やうつを単独で治できるほどのパワーをもっているわけではあ
ません。

気分の変調を是正するために投与した抗うつ薬を「増強する薬剤」、または「維持期の再燃を予防するための薬剤」というふうにとらえていた だければよいかと思います。

日本で処方される気分安定薬の3種類と特徴

気分安定薬とされる薬剤のなかで、日本で処方できる薬剤は3種類です。まずはカルバマゼピンとバルプロ酸ナトリウム。この2つは、主に「抗てんかん薬」として使われている薬です。もう1つは炭酸リチウムです。

臨床経過報告などから、気分の変調は一度起こるとそのこと自体が次の変調の呼び水になるということがわかっています。

カルバマゼビンやバルプロ酸ナトリウムなどの抗てんかん薬は、脳の細胞膜の電位を安定化させることで、脳内の信号伝達のイレギュラーな活動を抑え再燃を防止している可能性があります。

炭酸リチウムの作用機序には不明な点が多いのですが、リチウム塩の分子は小さく、脳への移行が容易であると考えられ、また急速充電と放電が可能な高性能蓄電池に使われるほど電気的な安定しやすいので、脳の電位を安定化させるのではないかと考えられています。

うつ状態になる原因とうつ病時にみられる症状(身体・精神方面)

私たちは普段、生活の中で「(気分が)うつみたい」と表現することがありますが、たいていは意識しないうちに改善されて、生活に支障は残りません。

人生のうちにはさまざまなライフイベントがあり、健康な人でも当然それに相当した気分の波があります。

短期間だけを取り上げてみれば、うつ状態や躁状態と思えるような変化はしばしばあるものです。しかし、そうした波は当然病気ではありません。

うつ状態になる原因

では、メンタル障害として扱われるうつ状態“うつ状態”“うつ病”とは、どういったなのでしょう。

私が臨床で判断するときは、憂うつな気分、落胆、やる気のなさなどの症状が途切れることなく毎日持続し、生活に何らかの支障が出るような場合、また、いくつかの関連して症状がみられ、それが今までに経験したことがないか重く、2週間以上続き改善がみられないような場合に、うつ状態、うつ病と判断しています。

 

うつ病の症状

うつ病にきられる症状にはさまざまなものがあり、精神症状に限らず、身体症状としても現れます。代表的なものを以下に記します。

うつ病の身体症状

消化器症状:食欲減退、味覚異常、便秘

生殖器症状:性欲減退、ED(勃起不全)、不感症、月経異常

全般症状:易疲労感、脱力感、無力感、疼痛、心悸亢進

うつ病の精神症状

気分の異常:抑うつ気分

思考の異常:集中困難、判断力・決断力低下、絶望感・劣等感

意欲の異常:活動量低下、表情表出の減少、精気の欠如

睡眠障害:入眠障害、熟眠困難、早期覚醒

その他の症状:不安感、焦躁感