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抗精神病薬薬理作用の説明

現在も新薬は開発され続けていますが、いずれも統合失調症の原因そのものにはたらきかける根治療法ではありません。あくまで対症療法ですので、長期問服用し続けなければならないことに変わりはありません。

再燃を抑えるには継続した抗精神病薬の薬物療法が最良の方法となります。ですから、いかにこの薬物療法が適正にかつ効果的に行われるかが治療成功の鍵となります。

抗精神病薬の評価は、医師が診察したときの情報だけで行うのでなく、患者さんを支えるすべての人からの情報を交えて、総合的に判断して評価することが必須となります。日常の動き(生活の様子)などは、医師には知り得ない大きな情報なのです。その情報をより洗練したものにしていただくためにも、ぜひ抗精神病薬のことをよく知っていただければと期待しています。

紹介した副作用のなかには、発見が遅れると致命的な問題となるものもあります。患者さんの行動のなかに副作用発現のサインがあることも紹介しました。それらを読者の皆さんの素晴らしい観察と洞察で早期発昆し、患者さんのQOLを今ま で以上に向上させるサポートをしていただきたいと思います。

老年期、抗うつ治療薬の正しい使用方法

老年期のうつ病や抑うつ状態では、抑うつ気分 が前面に出ず、仮面うつ病のように身体症状や心気 症状が中心であることが多いので、病初期に気づくのが困難なことがあります。活動性に目立った低 下がなくても、不眠や理由のない漠然とした不安 を抱いたり、年齢に似つかわしくない取り乱し方 をしたり、自分を責めるなどの行為をみつけたら うつを疑うべきです。

もしこのとき、不定愁訴の多さに大量のマイ ナートランキライザーで対応するようなことをす ると、病態が把握できなくなります。さらに不安や焦燥が高度になり、うつ状態が遷延すると、激越性うつ病へと移行します。

治療は成人のうつ病や抑うつ状態の治療に準じて 「抗うつ薬」を用いますが、老年期には代謝機能が低下していることを考慮して「少量をゆっくりと増減」しながら投与します。

老年期で抑うつ状態がひどいと、時に認知症様に みえることがあります。年齢などからアルツハイマー型 認知症と誤診されることがありますので、病気の経過を しっかりと聞きとり、鑑別していくことが肝心です。

また、加齢により甲状腺機能が低下し、ホルモ ン分泌が低下することで抑うつ状態を呈する二とが少なからずありますので、鑑別のための血液検査を行うことも忘れてはいけません。

定型抗精神病薬と副作用

定型抗精神病薬で治療がうまくいっている人はもちろんたくさんいます。それにもかかわらず、新しい抗精神病薬が開発されたのはなぜでしょう。実は定型抗精神病薬は、副作用の発現を抑えるという点では扱いが難しい面があるからです。その理由を説明しましょう。

脳内において、ドーパミン受容体の遮断率が65%になったとき(わかりやすくいうと、100個の受容体のうち65個の信号が抑えられたとき)に抗精神病作用、つまり治療効果が得られます。それ以下では抗精神病作用が得られません。しかしドーパミン受容体の遮断率を上げすぎてしまうと、今度は困った副作用が出てしまいます。具体的にはドーパミン受容体遮断率が72%以上になるとプロラクチン値が上昇し、78%で錐体外路症状が出現するといわれています。

このように、精神症状に効果を示し、かつ副作用を発現させないという条件を満たす領域は65~70%程度と非常に狭いので、その範囲におさまるよう微妙な調整をはかる必要があるのですが、定型抗精神病薬ではその調整が難しいのです。

また副作用を避けるためには図で示した”4つの経路すベて”において、ドーパミンを過剰に遮断するようなことは避けなければなりません。 しかしどのような薬であっても、薬というのは “この経路だけに選択的に作用する”という器用なことはできないため、定型抗精神病薬の作用は、ドーパミンの過剰が起きている中脳辺縁系だけでなく、他の3つの経路にも及びます。その ために、次のような困った副作用を惹起させてしまうことがあるのです。


もう一度図2を見ながら読んでください。

中脳皮質系:理由は解明されていないのですが、統合失調症を発症した人のこの経路では、ドーパミンの減少が起きており、そのために陰性症状と認知障害が生じているといわれています。しかし定型抗精神病薬がこの経路においてもドーパミン受容体を遮断してしまうために、陰性症状と認知障害をさらに悪化させることがあるのです。

黑質線条体系:この経路のドーパミンの量は統合失調症を発症しても変化していないといわれています。しかし定型抗精神病薬がドーパミン受容体を遮断してしまうために、錐体外路症状を出現させることがあるのです。

漏斗下垂体系:この経路のドーパミンの量も変化していないといわれています。しかし定型抗精神病薬がドーパミン受容体を遮断してしまうために、高プロラクチン血症や性機能障害を出現させることがあるのです。

低体力者向けの足の筋力がアップさせるプログラムをいっしょにやってください!

足の筋力がアップする体操~低体力者向け

①片足体重かけ

一番目

(1)足を左右に開き、両手を腰に当てる
(2)両足の裏を床に付けたまま、片足に体重をかけ、10~15秒間停止する
(3)背中を伸ばし、左右交互に5~10回行う
(4)大腿により強い負荷をかけるためには、伸ばした足の踵をあげる

二番目

(1)足を前後に開き、両手を腰に当てる
(2)両足の裏を床に付けたまま、前足に体重をかけ、10~15秒間停止した後、元に戻す

*「膝に負荷がかかるので、膝が痛い人は無理にする必要はない」

 

②足首の伸展・屈曲

(1)両足を揃えて、膝を伸ばして座る
(2)両手は後ろにして軽くつけ上体を支える
(3)背中を伸ばす
(4)両足を最大に内側に反らし(1)、5秒程度停止した後、外側にしっかり伸ばす (2)動作を5~10回反復する
(5)下肢により強い力を入れるためには、反らす時に踵を持ち上げる気持ちで行うと効果的である

 

③片足上げ

(1)両手を後ろに、背中を伸ばして座る
(2)膝を曲げる
(3)片足を伸ばしながら持ち上げる
(4)上げて、5秒程度停止した後、ゆっくりと下ろす
(5)片足ずつ5~10回反復する

抗うつ薬へのQ&A|どれぐらいで治るのですか?いつまで服薬を続けるのですか?

Q:どれぐらいで治るのですか?いつまで服薬を続けるのですか?

A:症例によって差があり、一概には言えないというのが正直なところですが、「2〜3か月しっかり治療すれば回復する方がほとんどです」と説明しています。

回復後も維持期を同じぐらい設けて、再燃がないことを確認しながらゆっくりと薬を減らして治療を終えます。

参考までに最近5年間の私の診療実績統計を、非常に大まかではありますが記しておきます。初診でうつと診断された患者さんの70%は2〜3か月で症状は回復します15%はそれより早く回復し10%は約半年かかりました5%は難治例であったり、のちに躁病相を呈し双極性感情障害であったことが判明したケースでした。

Q:抗うつ薬は癖(依存)にはなりませんか?

A:ご心配は、薬が癖になる=依存という意味だと思いますが、抗うつ薬自体は依存性物質ではありませんし、作用するセロトニンやノルアドレナリンも依存性物質ではありません。

ですから薬理学的には依存はないと考えられます。しかしながら、不用意に抗うつ薬が長期に投与された結果、脳内の恒常性が健康なときから変化して抗うつ薬がないといられない状態に変化したり、この薬がないとダメというような精神依存が形成されてしまう恐れは十分にあります

しかし通常の治療で、例えば6か月程度使用したケースで、依存が生じたり、抗うつ薬を止められなくなったケースを私は経験したことはありません。

メカジキのレモンスパイスソテー~食欲をそそる酸味と香り

この味付けは、白米よりも玄米が食べたくなります。

玄米に合わせる魚料理というと、塩焼きか煮付けになりがちですが、塩分と糖分が気になります。そこでお勧めなのが、スパイスとレモンで魚をマリネしてから焼く方法です。

あらかじめ、カレー粉やクミン、ニンニク、レモン汁、塩を混ぜたマリネ液に魚を漬けておき、取り出してそのまま焼くだけ。味がしっかりなじんでいるので、後から塩分などを足す必要はありません。玄米特有の香りに、スパイシーな風味がぴったり合い、マリネの効果で魚がふっくらと仕上がります。

食欲をそそる酸味と香り

メカジキのレモンスパイスソテー

1人分258kcal  塩分 3.7g 調理時間 45分

材料(2人分)

メカジキ・・・・・・2枚(約200g)

マリネ液①ニンニクのすりおろし・・・・・・少々

②レモン汁・・・・・・大さじ3

③カレー粉・クミンシード・塩・・・・・・各小さじ1

クレソンサラダ①クレソン・・・・・・1束

②オリーブオイル・・・・・・小さじ2

③レモン汁・・・・・・小さじ1

④塩・・・・・・ひとつまみ

強力粉・・・・・・適量

オリーブアイル・・・・・・小さじ2

粗びき黒コショウ・・・・・・少々

レモンのくし形切り・・・・・・2切れ

作り方

1.メカジキは横半分に切り、ペーパータオルで水気を拭く。小さめの器にマリネ液の材料を混ぜ合わせる。ファスナー付き保存袋にメカジキとマリネ液をいれ、冷蔵庫で30分~1時間置く。

2.クレソンは食べやすい長さを切手ボウルに入れ、オリーブアイルを絡める。レモン汁、塩の順に加えてさっと手であえ、皿に盛る。

3.1のメカジキの汁気を軽く切り、強力粉をまぶす。フライパンにオリーブオイルを中火で熱し、メカジキの余分な粉をはたいて入れる。両面を香ばしく焼き、2の皿に盛る。黒コショウを振り、レモンを榨る。

アルコール依存治療の補助薬である抗酒薬を知っておきましょう!

アルコール依存症とは

WHOの『国際疾病分類ICD―精神および行動の障害』では、依存症を次のように定義しています。

「ある物質の使用や行為が、その反復により生理的、行動的、認知的現象において、それまでの経験で得たどんな大きな価値より勝るようになることを“依存が形成された”といい、明白に有害な結果が生じているにもかかわらず、物質の使用や行為を続け、さらに状況を悪化させ、身体的、社会的に破壊を来す状態を“依存が確立した状態”という」

依存症が、行動の適正なコントロールができなくなる病気だとすれば、臨床で遭遇するアルコール依存症の患者さんは、自身に適切な「飲酒量」に対してコントロール障害が起きている状態にあるといえます。

抗酒薬はアルコール依存症治療の補助薬

飲酒のコントロールができない状態とは、脳内でどのような変化が起きたことを原因とするのでしょうか。

それについては現在のところ、全体像はわかっていません。そして原因がわからないため、飲酒したいという気分や衝動そのものを抑える薬剤を開発することも困難となっています。

では抗酒薬とはどういう薬なのでしょう。これは、アルコールを摂取することで、脳に“快感”ではなく、何らかの“苦痛”の刺激を加えることで、それ以上の飲酒を抑制したり、飲酒への抑止力をつけることを目的にした薬剤になります。

酒が嫌になる薬という「抗酒薬」という表記のほうが、薬理効果をよく表しているかもしれません。その意味で、アルコール依存症の治療薬ではなく、“治療補助薬”という位置づけになります。

代謝性意識障害の原因は「脱水」「アルコール」「処方薬」が多く、治療を体系的に把握するのは難しい

代謝性意識障害

代謝意識障害は老年期に特有なものではありませんが、加齢によりすべての生体機能が低下す る老年期には起こりやすくなる、という意味で解説しておきましよう。

「脱水」

一番頻度が高いのは、脱水を原因とする代謝性意識障害です。渴きのセンサーが鈍くなるしとや、 空調による不感蒸泄、本人が尿失禁を気にして水分補給をためらうなど、さまざまな原因が考えられます。

最近では、夏期の猛暑が原因で脱水症状を呈する高齢者が非常に多く、夏期はハイリスクシーズンです。

「アルコール」

また、脱水状態にある身体に過剰なアルコールを摂取した結果でも、代謝性意識障害が引き起こされます。

この10年間の統計では、アルコール摂取の問題で受診する高齢者が 年々増えている現状があります。

症状改善のためには、脱水には「輸液」、アル コール問題には「解毒」といった対処療法を行い なから、脱水の場合には水分補給の大切さを指導したり、アルコール問題の場合には断酒(アル コールを減らすのではなく断つ)指導を行っていきます。

処方薬

処方薬による副作用で、代謝性意識障害が起こることもあります。 前述の夜間せん妄の項に記したように、ベンゾジアゼピン系抗不安薬による過鎮静によってせん妄様の症状が出たり、睡眠導入薬の効果の遷延が原因でせん妄様の症状が出るといった現象です。

処方薬を原因とする場合には、薬剤の見直しを行って原因を取り除いていかなければなりません。

老年期の精神障害とその薬物療法についてお話してきましたが、その病態は非常に多彩です。治療指針を体系的に把握するのは難しいものがあると思います。

老年期にみられる夜間せん妄の治療法は、「生活改善」と「薬物療法」が基本的です。

夜間せん妄の原因

夜間せん妄は、せん妄のなかでも夜間に起こるものをいいます。せん妄は意識の混濁が原因で す。低覚醒により、激しい精神運動興奮を起こします。子どもが寝ぼけている状態(低覚醒状態)で、何かに驚いてパニックを起こす様に似ています。

このような状態では外界から入ってくるさまざまな情報が適切に処理できないために、不安や恐怖が極限に達します(いきなり言葉も知らない 外国の街角に1人で放置された状態を想像して みてください。そんな状態の何倍もの怖さがせん 妄状態の不安だといわれています)。

特に夜間に現れやすいのは、夜になると生理的に眠気が出て低覚醒となり、視覚情報が減ってくるため、せん妄が起きやすい環境となるからです。

なお、ベンゾジアゼビン系の抗不安薬による過鎮静によってせん妄様の症状が出たり、睡眠導入薬の効果の遷延が原因でせん妄様の症状が出ることもあるので、そうしたことが原因になっていないか、注意して鑑別するようにします。当然ながら、それらが原因と考えられる場合の対処方法は、抗不安薬や睡眠薬の中止です。

生活改善と薬物療法が基本

老年期にみられる夜間せん妄の治療法は、「生活改善」と「薬物療法」です。

生活改善は、薬物療法の効果を最大限に上げるためにも必要です。具体的には夜間にしっかりと 睡眠が誘発されるように、昼間の活動性を上げることです。

薬物療法の第一選択は、脳循環代謝改善薬でドーパミン受容体遮断作用のあるチアプリド(グラ マリール®)という臨床医が多いようです。

次に少量のハロペリドールや、非定型抗精神病薬を試みる (適応は統合失調症のみではあるのですが)という意見が多いようです。

私の場合はこれ以外にドーパ ミン拮抗作用のあるbenzamide系抗精神病薬であるスルピリド(ドグマチール®を使うこともあります。

なお、このような夜間せん妄などへの薬物療法として高齢者に抗精神病薬を使う際には、副作用が出ていないかを十分に観察することが大切です。

そして期待する効果が得られているかをきちんと判断していくことも重要です。効果が得られていないのに抗精神病薬を漫然と使うようなことは避けなければなりません。

発達障害をもつ人への薬物療法は必要かを分析しましょう。

発達障害とは

「発達障害」は大変大きな概念であり、さまざまな障害を含んでいます。この概念は“機能障 害”という観点で考えると理解しやすいはずです。

大多数の人に発現している機能が、身体面・精神面に遅れて発現する、または発現しきれないケースと考えればよいと思います。

一般的には“成長の遅れ”というイメージが強く、そこから精神遅滞のみを指すと思われがちですが、精神科領域で扱う発達障害はそれだけではありません。

大きく分けて、精神遅滞、学習障害、自閉性障害、広汎性発達障害、注意欠陥/多動性障害を扱います。

発達障害に薬物療法は必要か?

最新の脳科学研究でも発達障害の原因は明らかにされていません。しかし原因が明らかでないといっても、今後の研究で発達障害が根治できるような治療法がみつかるかというと、そうした展望に関しても「難しい」といわれています。

現時点で、発達障害の原因として考えられている有力な仮説は、脳神経のネットワークの構築の段階で何らかの問題が生じ、ネットワーク形成不全か発生した結果、障害へと発展するのではないかというものです。

しかしそうなると、現在臨床で用いられている向精神薬は、ネットワーク形成不全を改善させるような働きはもっていないため、発達障害の治療には効果を発揮できないことになってしまいます。

では、発達障害をもつ人に薬物療法は無効なのでしょうか。