抗躁薬の副作用が起こりやすいの原因

治療域が狭いため、副作用が起こりやすい薬です

炭酸リチウムという薬は、治療に適した血中濃度の治療域が非常に狭い薬剤です。そのため薬剤の添付文書にも、ひと月に1回程度、定期的な 血中濃度を測定することが推奨されています。

投薬量の1日量は、維持期で最大が800mgです。血中濃度の範囲は0.4〜1.0mEq/Lで、1.0mEq/Lを超えると飛躍的に副作用が出現する可能性が高くなります。炭酸リチウムは患者さんによっては少量の投与量変更で大きく血中濃度が変化することもあるため、私は治療維持期には、血中濃度が0.8mEq/Lを超えないことを意識して処方量を調整するようにしています。

炭酸リチウムの最大(最悪)の副作用は、リチウム中毒です。その初期は食欲低下、嘔気、嘔吐、下痢といった消化器症状にはじまり、次いで運動障害、 特に小脳性の運動失調と振戦が出現。傾眠、混迷や不穏などの精神症状へと発展します。最悪の場 合、命を落としたり後遺症を残すこともあります。このような状況に至る多くの場合は、炭酸リ チウム澳度が高澳度になったときで、その2大原因は、「投与量自体が多いとき」と、「脱水を起こしたとき」です。

未然の予防としては、炭酸リチウムの血中濃度を定期的にモニタリングすることや、脱水を起こさせないよう普段から水分補給を意識するように指導をすることです。

炭酸リチウムの禁忌

炭酸リチウムは長期に用いると、治療域の血中濃度であっても腎臓や甲状腺の障害を呈する可能 性があるという報告があります。そのため、腎臓障害や甲状腺障害をすでに有している場合には炭酸リチウムが禁忌なのはいうまでもありませんが、 その他に妊娠中や重い心臟病の方にも禁忌です、また、報告数は非常に少ないのですが、カフェイン か炭酸リチウムの吸収を阻害することが報告されています。服用中にカフェインの摂取量が変わるとその吸収量の変化で思わぬ副作用やリチウム中毒になる危険性もあるので注意を喚起してください。カフェインフリーの生活が望ましいのですが、それが無理な場合は「日常で摂取するカフヱインの入った飲食物の量をなるべく一定にする」ように伝えています。途中で急にカフェインの摂取量が減ると、吸収を阻害するものがなくなり、 炭酸リチウムの吸収が進んでしまうことが心配だからです。

炭酸リチウムを処方するときの説明

炭酸リチウムを単体で服用した患者さんから、 私はこれまで過鎮静様の副作用の訴えを聞いたことはありません。この薬は鎮静作用が少なく、純粋に“気分の変調”を是正するのにはたらくという印象です。私が炭酸リチウムを処方する際は、「過鎮静は起こりにくい」ことと、簡単な薬理動態を説明しています。

副作用としては、「服用してから1 .週間から10日程は食欲不振やIW気などの消化器症状がある」ことも付け加えるようにしています。

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